ジスロマックは細菌性の副鼻腔炎の治療に有効
ジスロマックは細菌を病原体として生じる副鼻腔炎の治療に効果を発揮します。
副鼻腔炎の病原体は「細菌」と「ウイルス」に大別されます。抗生物質であるジスロマックは、細菌に対しては抗菌効果を示しますが、ウイルスには効かないです。
また鼻炎症状の原因がアレルギーであった場合にもジスロマックが効きません。
見分けるポイントとしては、鼻水の性状が挙げられます。アレルギーでは透明でサラサラとした鼻水が出ます。細菌感染では黄色っぽくてドロドロとした鼻水がでます。
副鼻腔炎の治療におけるジスロマックの飲み方は、急性型と慢性型で異なります。
急性副鼻腔炎では3日間で薬を飲み切ります。
1回の用量 | 250mg錠の場合 … 2錠 500mg錠の場合 … 1錠 (アジスロマイシンとして500mg) |
1日の服用回数 | 1回 |
服用する期間 | 3日間 |
急性副鼻腔炎の場合は、成人だと500mgを1日1回、3日間連続して飲むことになります。 服用期間は短いですが、原因菌に対する効果は1週間ほど続くので、この間に薬の十分な濃度が保たれる形です。長時間体内に成分が留まる薬ですから、服用と効果の持続期間に差があっても不思議ではないです。
効果が現れるタイミングは、早い人だと初日から数日以内で、多くの場合は1週間以内に症状の改善が実感できます。ジスロマックは副鼻腔炎の臨床試験で、100%の有効率を達成している優秀な薬です。ペニシリン系の抗生物質と比べても、ほぼ同等で見劣りしない効果が確認されています。
慢性副鼻腔炎では少量を長期間飲み続けます。
1回の用量 | 250mg錠の場合 … 1錠 500mg錠の場合 … 1/2錠 (アジスロマイシンとして250mg) |
1日の服用回数 | 1回 |
服用する期間 | 2~3ヶ月 |
慢性副鼻腔炎におけるジスロマックの飲み方としては、通常の服用量の半分を2~3ヶ月の長期間服用する方法となります。具体的には成人だと250mgを1日1回、毎日同じタイミングでの服用を2ヶ月以上続けるわけです。
少量長期間の投与は、ジスロマックの抗菌作用よりも、抗炎症作用を主な目的に使用するものです。これによって粘膜が正常な状態に戻り、分泌物の通り道が改善して、慢性副鼻腔炎の症状が次第に軽くなっていきます。
日本の副鼻腔炎治療では、慢性的なものだとジスロマックが第一選択薬で、最初の2週間を目安に投与が決められます。いつまで投与するかの判断は専門的な知識が求められるので、医師に相談して服用を始めることが不可欠です。
副鼻腔炎(蓄膿症)とは
副鼻腔炎は鼻の周囲にある空洞の総称、副鼻腔に炎症が起こり、様々な症状を引き起こす疾患のことです。 細菌やウイルスの感染を切っ掛けとして、副鼻腔の粘膜が荒れて炎症になり、腫れや鼻水に呼吸が苦しくなるといった症状が現れます。炎症が悪化すると顔が痛くなってきます
やがて鼻と副鼻腔を結ぶ自然口が塞がり、分泌物などの排出ができなくなって、鼻水や膿が溜まります。慢性化したものを蓄膿症といいますが、年齢を問わず誰でも発症するリスクが存在します。 鼻水は粘液性で膿を含み、匂いが分からなくなったり変な臭いを覚えることもあります。
風邪の症状から発展することが多い副鼻腔炎は、初期段階の判断が難しく、気がついた時には慢性化していたりします。 副鼻腔炎の慢性化は、炎症の悪化や鼻ポリープの発生を招き、治療が難しくなったり治療しても再発しやすくなります。